飲んだら乗るな③【刑罰以外にも大変なことが】

前々回では、飲酒運転自体、前回は、飲酒運転で事故を起こした場合の刑罰等について説明してきましたが,今回は、飲酒運転をしてしまうと,刑事罰以外にも責任や制裁を受けることになるよっというお話です。

 

民事上の責任

刑事罰は,国に対するものですが,飲酒運転をして事故を起こして他人を傷つけたり,車を破損させてしまうと,この被害を弁償する責任が当然に発生します。この責任は,事故を起こすことによって発生するわけですが,飲酒運転による事故の場合は,通常の場合と比べ,以下の点で不利に働きます。

①過失割合が加算される

交通事故が発生してしまった場合,全面的に加害者側に過失がある場合には過失割合が10対0となります。ただし,被害者側にも信号無視などの交通法規を守っていなかったり事故を誘発させた事情があった場合には,被害者側の過失も考慮して,加害者側の責任を決めることになります。

その過失割合を決めるとき

酒気帯びなら  1割

酒酔い運転なら 2割

加害者側に過失割合が加算されることになっています。

例えば,加害者側が酒酔い運転をしていたときに横断歩道のない場所で歩行者をはねてしまい,仮に通常だと過失割合が7対3(加害者:被害者)となるとしても,

酒気帯び運転なら8対2に,酒酔い運転なら9対1という風に加害者側に過失割合が加算されることになります。

②車両保険が使えない

自損事故を起こしたり,こちらに過失割合が多く認められる交通事故を起こしてしまった場合,自分の車の修理については車両保険を使って修理したいものです。でも,飲酒運転の場合には,車両保険は免責事項になっていて,使えないのです。被害者側に対しては被害者救済のため,自分の保険は使えるのですが,自分の車の修理は自腹となってしまいます。

 

職場をクビになる!

近年の飲酒運転取り締まりの必要性が叫ばれている中,酒酔い運転を理由とした懲戒解雇をする企業が増えています。ある調査によれば,事故がなくても酒酔い運転が明らかになった場合は、4割の企業が解雇する方針を採っているそうです。

公務員においては,2006年の福岡市職員の飲酒運転事故以来,飲酒運転をした公務員を原則として懲戒免職とする自治体が増えました。ただ,飲酒運転で懲戒免職処分となった職員が,処分結果が不当に重すぎるとした訴えを提起し,免職を取り消す裁判例がいくつも出されています。

 

裁判では,飲酒運転をしたことが業務と関係しているか,飲酒の酔いの程度,交通事故を起こしたか,常習性があったか,本人のこれまでの勤務態度等の諸事情を考慮して,免職処分が不当かどうか判断されます。

 

このように,長年勤めてきたが,飲酒運転の程度が軽微な場合は,仮に懲戒処分を受けても裁判で争うことは可能といえます。しかし,裁判の結果が出るまでには時間がかかり,仮に勝ったとしても職場復帰することは現実的に難しいと思います。

このため,飲酒運転をして警察に捕まった場合,自分のつとめている会社の方針によってはクビになることを覚悟しておいた方がいいでしょう。

 

ほんのちょっとの油断,慢心が,自分や他人の人生を大きく狂わすことになる飲酒運転なのです。自分だけでなく,周りの人が飲酒運転をしそうになっていたら,止めてあげてください!

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