民法が変わることによって自動車販売が変わる?【自動車販売と民法改正】

法律改正

 最近のニュースで,民法が120年ぶりに改正されるというものがありました。今回は,民法の改正により,自動車販売に影響を与えるものを考えていきたいと思います。
 
 

1 民法の改正!?

1.1 民法とは

 まず,民法は,市民と市民の間の権利関係を定めており,数ある日本の法律の中でも最も基本的な法律と言っていいものです。その内容も,個人の所有関係,契約関係,親族,相続関係と範囲は非常に多岐にわたるものです。

そして,今回改正されようとしている民法は,この中でも契約関係に関する部分です。実を言うと,民法というのは親族関係などちょこちょことマイナーチェンジは繰り返されているのです。ただ,今回は契約の根幹部分に関する部分の変更であり,一般実務に多大な影響を与えることから,マスコミによって大々的に取り上げられているのです。

1.2 変更内容

① 賃貸借契約における「敷金」の定義化

② 企業融資等の貸金契約で求められる個人保証を「原則禁止」

③ 消滅時効を5年に統一

④ 法定利率を3%に引き下げた上で変動制導入

⑤ インターネット取引などで使用される「約款」の効力を明確化

 今回の変更は,民法の契約関係に関する部分で(民法の中でも契約関連の箇所を契約法と呼ぶ),今回ほどに変わるのは,戦後初めてと言われています。

なぜ,民法の契約法の変更が必要かというと,以前には想定されていなかった社会変化に対応するためが大きな理由です。 
 民法制定当初は,家の貸し借りで「敷金」などというものは存在していなかったし,インターネット取引なんてそれこそ夢にも思っていない取引形態ですもんね。

2 自動車販売に対する影響

 ここまで,民法改正の一般論を述べてきましたが,結論から言って,今回の民法改正によって自動車販売に対する影響は,他の業界に比べたら小さいのではないかと思います。

というのは,自動車販売は,基本的には対面販売の物の売買いでありこの形態は昔からあまり変化がないことが挙げられます。また,民法制定後に作られた,オートローンという形態は,割賦販売法という民法以外の法律で規定されているので,民法改正によらずとも既に法律的に対応されているからです。

ただ,全く影響がないことはないので,以下私が思うところを指摘します。

2.1 オートローン契約の個人保証

 上で見たように,今回の民法改正では,個人保証を原則禁止とするようにしています。この改正趣旨は,頼まれて断れずに保証契約をしてしまい想定以上の債務を負わされる人を保護するためです。よくドラマであるような連帯保証人になって,その後に自宅を売る羽目になり,家族もばらばらになって悲惨な生活を送るようになり・・・という種類の人たちを法律的に保護しようという考えです。

ただ,この個人保証は,全ての契約ではなく「貸金」契約におそらく限定されることになりそうです。
オートローン契約の場合も契約者以外に保証人をつけることは少なくないと思いますが,個人保証禁止の影響を受けるのでしょうか。

この点は,正直まだ分かりません。というのも,ここでやっかいなのが,オートローン契約の場合,契約相手が金融機関なのか信販会社なのかによって,貸金(お金を貸す)契約なのか立替払(購入者の代わりに支払う)契約なのかがわかれるからです。
購入者から見たら,どちらにせよ販売代金に金利分を上乗せして毎月支払っていくのですから大差が無いようにも思えますが,法律的には両者の契約は異なります。

そのため,契約内容によっては,個人保証が禁止される貸金契約であったり,個人保証が禁止されない立替払契約であるということになるかもしれません。

2.2 現時点でのまとめ

 今回,マスコミによって発表されたのは,民法改正の案です。正式に国会に審議されて施行されるのはもう何年か後になりそうです。そして,先に挙げた個人保証の原則禁止も,契約者が法人でその法人代表者が連帯保証人となる場合は禁止すべきでないとか,経済界からはいろいろ注文があり,まだ意見は完全にまとまっていません。

ですので,なんとも尻すぼみの内容で申し訳ないのですが,民法改正が自動車販売に与える影響の答えを出すには,もう少し様子を見る必要があります。ただ,連帯保証人についてはもう少し慎重にさせるべきだという大まかな方向性は確立しているので,明日からの契約締結時には頭の片隅に入れておいてもらえると幸いです。

関連記事

自動車(中古車)販売特化型リーガルパートナー

運営者

ページ上部へ戻る