ローン契約で自動車を購入!所有者は誰!?【所有権留保とは①】

誰の車?

自動車を購入するとき,その代金全てを契約者(購入者)が支払う場合と,オートローン契約を結んで代金を3年なり5年なりと割賦で分割して支払う場合があります。
自動車代金の分割払いは,購入時に手元資金がなくても,自動車を購入することができるので,契約者から見たらありがたいですし,販売店としても売り上げが増えるので,両者にとってありがたい仕組みです。

契約者が支払う場合とオートローン契約の場合において,自動車の引渡を受けたときから自由に自動車を乗ることができることは同じです。
ただし,購入した自動車が完全に契約者のものになったのかどうかという点においては,両者において違いがあります。
その所有という点の違いが端的に表れる場面として,購入した自動車を転売や処分するときが挙げられます。

一括で代金すべてを支払う場合

この場合には、自動車の所有権は、契約者に完全に移転することになることから、自動車を転売しようと処分して廃車にしようが全くの自由です。

オートローン契約の場合


一方で、オートローン契約の場合は転売や処分することは禁止されます。
この結論の違いはどこにあるのでしょうか。

それは,オートローン契約の場合,購入した自動車が完全に契約者のものになったとはいえず,所有権留保がついているからです。

所有権留保とは


オートローン契約とは,自動車の代金を信販会社や自動車メーカー系列のファイナンス会社が契約者の代わりに販売店に立替払をして,契約者が代金を分割して信販会社に支払っていく契約です。
この場合,契約者が当初の約束通り,代金全てを支払ってくれればいいのですが,契約者の中には会社をクビにされたとか,経営している会社の売り上げが急に悪くなった等,購入時には予測できなかった事情が発生して,毎月の代金支払が滞る人が現れます。
このとき,自動車の代金を立替払した信販会社等としては,契約者から支払ってもらえないと利益が出ないばかりか,先に代金を支払っている分が損となるので,なんとか契約者に代金を支払ってもらうよう督促します。
ただ,経済状況が苦しい人はなかなか支払ってくれるとは限りません。そんなとき購入した自動車を契約者から引き渡してもらい他の人に売ることによって,売却代金を契約者の残りの支払に充てることをするのです。
この仕組みを可能にするのが,所有権留保という方法になります。所有権留保とは,自動車の所有を,信販会社等のものにしておいて(留保して),代金の支払が終わるまでは契約者に貸すことにしているのです。要は,自動車を担保に取っているのです。
このため,契約者としては,購入した自動車を自由に乗ることはできますが,完全に自分のものとはなっておらず,自動車を担保に取られているので,転売等,自由に処分することが禁止されているのです。

なぜ、自動車の売買には、所有権留保が利用されるか。


あるものの代金を一括して支払わず分割して支払うことは,取引社会によくあることですが,この所有権留保は,自動車や一部の工作機械にしか利用されていません。
その理由の一番は,自動車は中古市場が発達していることが挙げられます。
通販などでは宝石や電化製品が分割払いで購入できますが,もともと自動車ほど高額ではないうえ,中古品は新品と比べてかなり低く売られるため,わざわざ契約者から物を引き上げて他の人に売ったとしても大した額にならず,割に合わないことが多いです。
他方,自動車は中古車市場が発達し,オークションに出品すれば相当価格で早期に売ることが可能なので,すぐに代金に換価できます。
このような理由から,自動車取引においては所有権留保が使われているのです。

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