所有権留保がつく場合とつかない場合の具体的違い【所有権留保とは②】

所有権留保の権利義務

 前回の記事には,オートローン契約の場合は,代金回収の担保のため,所有権留保が付いており,購入者が転売や処分することは禁止されていると述べました。

 今回は,オートローン契約で所有権留保となった場合に,購入者が取得する権利や負担(義務)を,もう少し詳しく述べて,通常の売買の場合と異なる点をあぶり出します。

所有権とは

 まず,唐突ですが,所有権とはどのような権利でしょうか。

 ある自動車が自分のものであること,自由に使えること,・・・人によっていろいろな考えがあると思います。

この所有権という権利は,民法では,「使用,収益及び処分をする権利」と定められています。自動車の所有権がある場合,自動車を乗ること(使用)他人に貸してお金をもらうこと(収益)他人に売ること(処分)ができることになります。

所有権留保付きの場合は?

 オートローン契約の場合,所有権は契約上,販売店に立替払いした信販会社が取得すると明記されている場合がほとんどだと思います。

この場合,上で述べたように,使用収益及び処分する権利が全て信販会社が持つことになるわけではなく,担保として形式上,信販会社が所有権を持っている形にするのです。これが所有権留保と呼ばれる所以です。

 所有権留保条項(例)
 自動車の所有権は,この債務完済の時まで(信販会社)に留保し,債務が完済され(信販会社)が購入者に対して譲渡証明書を交付することによって,購入者に移転することとする。

自動車に乗る(使用)権利

 購入者が,販売店から自動車の引渡を受け,自由に自動車に乗ることが出来ます。すなわち,購入者は,所有権の内,使用する権利は取得するのです。

他人に貸してお金をもらう(収益)権利と他人に売る(処分)権利

 では,所有権留保の場合,購入者は収益,処分の権利はどうでしょうか。
この点についても,オートローン契約書にほとんどの場合明記されています。

善管注意義務条項

本契約が存続中は,購入者は,(信販会社)の所有権を侵害する行為をせず,自動車を他へ質入,転売,転貸できないこととする。

と,債務が完済されるまでは,他人に貸すこと(収益)や売ること(処分)が禁じられるのです。

 このように,所有権留保付きの場合と通常の売買の場合とで違いはありますが,自動車を購入することを考えている場合,レンタカー屋さんをやろうと考えているような特殊な場合は除いて,普通は他人に貸すために自動車を購入する人はいませんよね。

 また,処分ができないと言っても,残債務を全て完済してしまえば問題はないので,自動車を下取りに出して下取り価格を残債務に充てて残りの債務を支払えそうであれば,自動車の買い換えも問題なく出来ます。

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